漆道URUSHIDOU

”ホンモノ”の漆と向き合う

漆の心

ーいいものはマネされるー

よく言う言葉ですが、これはまさに漆塗が現代で
広く普及されるようになったことにも関係しています。
都市開発が進むにつれ、国産漆は希少になり、高値で取引されるようになりました。
中国などからの輸入漆が増え、世に出回るほとんどの漆塗がウレタンを混ぜた
ものを塗料にし、木地にはナイロン樹脂などが使用しているものになりました。
そうすることで安価で販売されるようになり、手に取りやすくなった
漆塗作品ですが、伝統的な製法で作品を創造している職人たちからすると
「ホンモノが衰退していく」ということはとても悲しいことです。
ホンモノの漆塗作品は独特の風合いと、使うごとに変化する質感がとても美しい。
人工物を一切使用していない自然の植物のみで作り出している漆作品は、
手にとって、ゆっくりと眺めているとそれだけで心が洗われるような気さえします。
純朴で、硬派な漆をもう一度世に広げていく、それが自分の仕事であると感じています。

本漆塗

素材が 天然木 、塗装が下地塗装、仕上げ塗装両方とも漆100%で、 全て手作業 の物が最高級とされています。
この最高級の作品を本漆塗と言います。
木は温度と湿度の変化によって伸び縮みするものですが、そうなると、漆も一緒に伸び縮みします。
漆の製品でよく塗装が剥げてきているものがありますよね。
それは、どちらかに合成のモノが入っていて、片方が伸びたり、縮んだりしているうちに表面が剥げてきてしまっているのかもしれません。
天然木と本漆の組み合わせならば、その確率も低くいつまでも長く使えるうえに、月日を重ねるごとに良い風合いがでてきます。

純国産漆 書写塗

姫路の書写山圓教寺に伝わる「書写塗」は使い込むうちに上塗の朱漆が摩耗してじわりとでてくる下塗の黒漆が味わい深く、鮮やかな朱色の根来塗と比較して少し暗い色調の朱塗りであることです。
書写塗りに関する唯一の文献資料である「書写塗(書写根来)」(鍛冶淳美著1986年出版)によりますと、1585年、和歌山の根来寺が秀吉の焼き討ちにあった際、離散した塗師によって漆塗の文化が書写山に伝わり、その後、江戸時代末期に磁器の台頭により途絶えてしまったとされています。
我々書写塗伝承協会が研究を重ね、140年以上の時を経て、現代に復刻しました。

日本古来の漆芸を見直し、漆器の持つ良さを味わっていただきたく存じます。